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入院中のケア
○保育器
NICUに入院した赤ちゃんのほとんどは保育器に入ります。できるだけお母さんのお腹にいる状態に近い環境を作るために保育器の中は暖かくし、湿度を高く保っています。保育器の中の温度や湿度はそれぞれの赤ちゃんに合わせてコントロールし、快適な環境を提供しています。はじめは人工呼吸器や赤ちゃんの様子を見るためのモニター、点滴の管や栄養を胃に入れる為のチューブ等がたくさんついています。赤ちゃんの成長はゆっくりかもしれませんが、赤ちゃんが少しずつ元気になる日を楽しみに見守ってあげてください。○ディべロップメンタルケア
ディべロップメンタルケア赤ちゃんの成長発達を少しでも助けるために、赤ちゃんの反応に合わせてケアしたり、処置や過剰な光や音の刺激によるストレスをできる限り減らしながらケアしていくことです。具体的には、照明は全体的に暗くし、保育器を開け閉めする音にも気を付けています。また、お母さん方に保育器のカバーの作成をお願いすることで、赤ちゃんに優しい環境作りにご協力いただいています。○タッチング
私たちは赤ちゃんとご両親のふれあいを大切にしています。保育器に入っている赤ちゃんでも頭をなでたり、手足を触ったり、赤ちゃんとのスキンシップを図っていただいています。タッチングによって赤ちゃんの発達を促進し、免疫機能の向上、ストレスの軽減などの効果が得られると考えられています。赤ちゃんの状態が落ち着くと抱っこもできるようになります。○母乳育児支援
入院中であっても、赤ちゃんの成長に必要な栄養素がたくさん含まれている母乳栄養を継続できるよう援助しています。NICUでは早期からの搾乳をサポートしています。面会中にも搾乳できるように、搾乳室を設けています。赤ちゃんの状態が落ち着いてきて、面会時に直接授乳ができるようになった場合には、直接授乳の援助を行っています。安心して気軽にご相談ください。○コット
赤ちゃんの全身状態が落ち着くと、いよいよコットと呼ばれる赤ちゃん用のベットに移ります。コットに移ってからは、積極的に育児参加をお願いしています。沐浴や直接授乳、爪切り、抱っこ、近くでの窓越し面会ができるようになります。待ちに待った、退院の第一歩です。○沐浴
状態が安定している赤ちゃんは退院に向けて、ご両親の面会時にお風呂の練習をすることができます。お父さんとお母さんと時間の都合などを相談しながら参加をお願いしています。お父さんとお母さんに入れてもらうお風呂は赤ちゃんにはとても気持ちよさそうです。○授乳
GCUでは赤ちゃんの状態が落ち着いてきて面会時に直接授乳ができるようになった場合、助産師を中心に母乳育児の支援をしています。○マザリング
退院後の生活をイメージしていただけるよう、希望に応じて、数日間ご両親と赤ちゃんで一緒に過ごしながら育児の練習をしていただくことができます。(マザリングと呼んでいます。)○ノート
赤ちゃんの状態によって、御家族にノートを用意して頂く場合がございます。体重や哺乳量、その日の様子などを担当の看護師が記入しています。赤ちゃんの様子を少しでもご両親に伝えられればと思っています。ご両親にも質問や不安など自由に記入していただき、育児日記として書いていただいています。○退院
NICUの赤ちゃんは、ご家族の応援をもらってたくさんのことを乗り越え成長し、やがて元気いっぱいな姿で退院の日を迎えます。赤ちゃんも家族もスタッフも笑顔でいっぱいです。○地域連携
院内の地域連携センターとの連携を図り、ご家族が安心して退院後の生活が送れるよう医療ソーシャルワーカーとともにサポートしています。また、NICUに入院された赤ちゃんは全例、各地域の保健センターへ紹介し、退院後は地域の保健師による新生児訪問が行われます。○退院後のフォローアップ
退院される時は、退院後に外来を受診する日の予約を入れています。当院の小児科には新生児外来があり、NICUの医師が担当しています。母乳育児支援
母乳は赤ちゃんの健康と発達に大切なものです。そして、お母さんと赤ちゃんの愛着形成にとっても、大切なものです。しかし、NICU ・GCUに入院する赤ちゃんたちが直接授乳をすることができるようになるまでには、数週間、時には数ヶ月間も、時間がかかるかもしれません。
そのためここNICU・GCUでは、お母さんの相談に乗りながら、赤ちゃん、お母さんひとりひとりに合わせた栄養や、母乳育児の支援を行っています。
赤ちゃんがお口から哺乳できるようになるまでの間は、鼻や口から胃までつながる栄養のチューブを通して、お母さんが一生懸命搾ってくれた母乳やミルクが届けられます。哺乳は約3時間ごとに、1日8回、医師が赤ちゃんの状態や栄養を考えて、量を決めていきます。赤ちゃんの状態や体重増加に合わせて、量を少しずつ増やしていきます。
赤ちゃんの呼吸や全身の状態が落ち着いて、お口から哺乳ができそうだと医師が判断すると、いよいよお母さんの直接授乳の練習がはじまります。
最初は赤ちゃんのお口が少し小さかったり、眠りがちだったり、お母さんの思うように直接授乳が進まないかもしれません。でも焦らずに、私たち看護スタッフも一緒にサポートいたします。お母さんと赤ちゃんに一番合う方法を一緒に考えていきましょう。
直接授乳開始と同じ頃、または直接授乳に慣れてきた頃に、ビン哺乳の練習も始まります。NICU・GCUに入院する赤ちゃんたちがより安全に、しっかりとお口から哺乳できるように、お口の形や大きさ、吸う力、呼吸の状態などを理学療法士とも相談しながら、ひとりひとりに合わせて哺乳瓶や乳首を選び、練習していきます。
また、赤ちゃんの哺乳が進み、十分な量をお口から飲むことができるようになると、決められた時間以外にも、好きなだけ哺乳することができる自律哺乳になります。
IBCLC
当科にはIBCLCが在籍しております
「IBCLC」とは「国際認定ラクテーション・コンサルタント International Board Certified Lactation Consultant」母乳育児支援の専門家です。年に1回行われる世界共通試験によって認定されます。2012年末には世界94カ国に26,000人以上のIBCLCがいます。
IBCLCは母親が本来もっている力、つまり母親は我が子のエキスパートであり、何が問題であるのかを一番良く理解し、解決法を考える“力”を持っていると信じることを大切にしています。
日本では、昔から様々な母乳育児支援の方法が提唱されてきました。しかし、支援の方法がたくさんあるということは、母親たちに混乱を招くこともあります。
「母乳育児をやってみたい」「母乳がでれば、母乳育児をやってみたい」「初乳は飲ませたい」と思いを抱く母親たちに、科学的根拠がはっきりしているものを提案し、母親の希望、価値観を充分に尊重し、満足感を得られる育児ができるように、皆様のお手伝いをさせて頂きたいと考えております。
<日本ラクテーション・コンサルタント協会では“母乳育児に関してのQ&A”をまとめています。詳しくはこちらをご覧ください。>
日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)
IBCLCは母親が本来もっている力、つまり母親は我が子のエキスパートであり、何が問題であるのかを一番良く理解し、解決法を考える“力”を持っていると信じることを大切にしています。
日本では、昔から様々な母乳育児支援の方法が提唱されてきました。しかし、支援の方法がたくさんあるということは、母親たちに混乱を招くこともあります。
「母乳育児をやってみたい」「母乳がでれば、母乳育児をやってみたい」「初乳は飲ませたい」と思いを抱く母親たちに、科学的根拠がはっきりしているものを提案し、母親の希望、価値観を充分に尊重し、満足感を得られる育児ができるように、皆様のお手伝いをさせて頂きたいと考えております。
<日本ラクテーション・コンサルタント協会では“母乳育児に関してのQ&A”をまとめています。詳しくはこちらをご覧ください。>
日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)
新生児集中ケア認定看護師の紹介
新生児集中ケア認定看護師について
新生児集中ケア認定看護師は、予定より早く生まれた赤ちゃんや、病気を持って生まれてきた赤ちゃんに、呼吸や循環を整えるケアや感染予防、体温管理などの、赤ちゃんができるだけ安楽に成長していけるためのケアを提供しています。また、赤ちゃん自身が持つ力を生かし、身体的・神経学的な発達を助けるケアを医師や理学療法士、保育士とともに行っています。そして、家族のきずなを支え、家族とともに赤ちゃんを育むケアを大切にしています。当院では3名の新生児集中ケア認定看護師が在籍しており、NICU・GCUでは2名が赤ちゃんとご家族のケアに携わっています。
新生児集中ケア認定看護師の主な活動
・ | 赤ちゃんを受け持たせていただき、ケアを実施していきます。また、理学療法士や保育士と協力して新生児の発達にあわせたケアを行っています。 |
・ | 赤ちゃんにとって、ご両親とのふれあいはかけがえのない大事な時間です。おうちに帰る日に向けて、 ご両親と相談しながら、できるケアを一緒に行えるようにサポートを行っています。 |
・ | ご両親のご希望に沿った母乳育児支援を行っています。 |
・ | 新生児蘇生法(NCPR)の講義を行っています。 |
・ | 赤ちゃんの看護、家族看護に関する相談や講義のご依頼があれば承ります。 |
保育器カバーのご紹介
NICUの中では、夜になると照明を暗くしますが、処置や治療のため24時間ある程度の明るさを保つ必要があります。NICUで過ごす小さい赤ちゃんにとっては、必要以上に明るいことや、様々な器械の音がストレスとなる場合があります。光と音の刺激を和らげ、お母さんのおなかの中の環境に近づけるケアとして保育器にカバーをしています。
また、NICU入院中の赤ちゃんのご家族に(29週より早く生まれた赤ちゃんを目安に)手作りの保育器カバーをご紹介し、希望があれば簡単な作成方法をご紹介し作成していただいています。保育器カバーに使用する柄はご家族に好きなものを選んでいただき、装飾にフリルや名前などのアップリケを付けるなど、とても愛情のこもった保育器カバーとなっています。
NICU・GCU男性看護師紹介 〜パパたちの味方をめざして〜
NICU・GCU病棟は、3年前まで女性看護師のみの病棟でしたが、現在6名の男性看護師が勤務しています。
当病棟には新生児・乳児が入院しています。育児の中心は主にママとなること、スタッフも助産師の割合が多いことなどから、どうしても病棟内は女性の比率が高くなってしまいます。そんな中ではパパたちが面会にいらしても、一歩引いている印象を受けていました。
あるパパから男性看護師がいることにより、「面会しやすく病棟に溶け込みやすくなった」とのお声をいただきました。私たちはその声をはげみに、パパたちが今まで以上に育児練習に参加しやすい環境づくりをしていきたいと思っています。
私たち男性看護師は母性看護の実習において、女性が多い環境に慣れることがとても大変だったのを覚えています。その経験から同じ男性の視点にたって、パパ達にアドバイスを行うように心がけています。
ママはもちろんですが、パパが育児に参加しやすい環境とするために私たち男性看護師にどんなことでも御相談ください!