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「三世代コホート調査結果報告会」ならびに「第5回 周産期救急搬送症例検討会」

平成29年10月24日
 平成29年10月18日、東北メディカル・メガバンク棟にて、「三世代コホート調査結果報告会」ならびに「第5回 周産期救急搬送症例検討会」が開かれました。この会は、東北大学と東北メディカル・メガバンクの大崎センター、石巻センター、気仙沼センターを双方向性テレビ会議システムで繋ぎ、遠方の先生にも参加頂いている会です。
 今回は、リクルート数7万人を超える三世代コホート調査の進捗と今後の方向、特に実際の臨床現場に直結するような研究テーマについて報告がありました。また、症例検討会では深く考えさせられるような症例や、見落としがちなポイント、あるいは病院間の連携システムに関する提言、新しい手術方法の試みなどが発表され、非常に活発に質疑応答がなされました。この会は、いわゆる「学会」「講演」といった堅苦しい会ではなく、普段連絡を取り合っている先生方と周産期のテーマに関してざっくばらんに意見し合える会であり、例年通り今年も熱い議論がなされ、宮城県内の周産期の勢いがまだまだ上昇気流にあることが再認識されるいい機会となりました。


第4回おがるっこ(東北大学病院NICU同窓会)が開催されました

平成29年9月12日
第4回 おがるっこ(東北大学病院NICUで大きくなったこどもたちと親の会)

 平成29年7月2日に、「第4回おがるっこ(東北大学病院NICUで大きくなったこどもたちと親の会)」が開催されました。当日は15組のNICUの卒業生とご家族にお集まりいただき、その他に東北大学学生ボランティア、NICUスタッフ(医師、看護師、保育士、臨床心理士等)、仙台市の保健師が参加いたしました。
 おがるっこでは、まずはじめにそれぞれのご家族から自己紹介をしていただきました。お子さまの生まれた時の週数、体重のほか、今好きなことなどをお話していただきました。我が子と同じくらいの週数、体重で出生したお子さまの自己紹介のときには、特に興味を持って聞いておられる様子が印象的でした。たくましく成長したお子さまの様子を見ると、わたしたちスタッフもとても感慨深い気持ちになります。

 当日は七夕が近いということもあり、参加していただいたお子さまとご家族には、七夕の短冊つくりをしていただきました。今回はアイスクリームの形をした短冊です。星やハート型、きらきらのシールを貼って思い思いにアイスクリームの短冊にトッピングをしてから、お願い事を書いていただきました。短冊には「はやく大きくなれますように」「風邪が治ったら新幹線に乗りたい」「自転車に乗れるようになりたい」など、みなさんの、夢いっぱいにあふれたお願い事がたくさん書き込まれました。みなさんのお願い事はきっと織姫様に届いたことと思います。


 短冊の他に、「うちわ」つくりも行いました。
 うちわにはカエル、うさぎ、ねこの3種類がありましたが、それぞれ好きな動物を選んだあとに、色鉛筆で目やお鼻を描き、更にリボンや蝶ネクタイで自分好みに飾りつけをして、世界に1つだけのオリジナルうちわが完成しました!キリッとしたお顔のものや、まん丸の目をしたかわいらしいお顔のものなど、個性豊かな素敵なうちわばかりでした。そしてお次は、作ったうちわを使っての「金魚すくいゲーム」です。テーブルの上に設置された水槽に見立てた囲いの中に、赤や黄色、オレンジ色など色とりどりの金魚が放たれ、金魚すくいがスタートしました。事前にスタッフが金魚すくいをしてみたときは、なかなか思うようにすくえず苦戦したため、少し難しいかな…と少々心配をしていましたが、スタッフの心配はなんのその!すいすいと最初から上手にすくうお友達もいれば、水槽の壁を使うなどして工夫してすくうお友達、パパやママと一緒に協力してすくうお友達など、想像以上に大収穫なお友達が多かったようです。金魚はおうちでも遊べるようにみんなで分けて、お土産にしていただきました。
 うちわと短冊は、お持ち帰りいただく用ものの他に、病棟に展示するものも作っていただいたので、NICU内の廊下に飾っています。とてもかわいらしい個性豊かなうちわと短冊が並んでいますので、ぜひ皆さまご覧ください。


 ゲームの後には、テーブル毎にご家族同士の情報交換の時間が設けられました。同じ年代のお子さまを持つご家族はお子さまの成長を互いに喜び合ったり、日頃の不安や悩みを打ち明け合ったりされていました。
 また、小学生など年齢が少し上のお子さまのご家族から、日常の中でのアドバイスをもらったり、成長したお子さまの様子を直接見ることで、我が子が今後どのように成長していくのか見通しを持つことができたとおっしゃる方もいらっしゃいました。
 ここに、情報交換で出た意見を少しご紹介させていただきます。



『退院後ミルクの飲みが悪くて心配でした。』
『嘔吐はよくあると言われたけど、本当に問題ないのか不安でした。消化器系に問題があったりしないかなと心配になりました。』
『天候が暑くなってきて、脱水が心配です。服装や外出もどうしたらいいか悩んでて。』
『離乳食の開始時期がよくわかりません。』
『幼稚園で嫌なことやできないことがあると、嘘をついて逃れようとすることがあります。小さく生まれたからなのかって心配になってしまって。』
『幼稚園で、普通に生まれた子とはやっぱり差が出てくるけど、本人なりにうまくごまかしながら頑張っているようです。それも成長だと思っています。』
『目の手術をした後だから、本当に見えているのか心配になってしまいます。先生からは経過は大丈夫だって言われるけど。』
『入院中の母児分離のせいなのか、他の子に比べて幼稚園でなかなか私(ママ)と離れる不安が強いみたいで。こういうところにも影響あるのかなって考えてしまいます。』
『入院中も退院してからも、お兄ちゃんやお姉ちゃんの赤ちゃん返りがとても大変でした。』
『職場復帰したいけど、小さく生まれたからか風邪もひきやすいし、泣くことも多いから難しくて。復帰できたらそれはそれで気分転換になるんだろうなって思うんだけど。』
『振り返ってみると、入院中が1番つらかった。誰かと気持ちを共有したかった。』
『入院が延びたときは不安がとても強くなりました。その時にほかのママと話せたらなって思いました。』
『入院してる時、これまでの同窓会の写真が病棟に飾ってあるのを見て励みになりました。』
『1対1で育児していると、自分の育て方が悪いと考えてしまって。兄弟や双子のもう一人がいると、同じ私が育てていても性格はばらばらで、それを見てると私のせいじゃないんだって、やっと思えました。』
『1歳過ぎるまでは本当にこれで大丈夫か不安が強い時期でした。その間にこんな会に参加できればよかったなって思います。』
『(おがるっこに参加して)今後どういうふうに大きくなっていくかイメージを持てました。励みになりました。』

最後に、ご家族の同意を得て、参加していただいた卒業生の紹介をしたいと思います。



 第4回おがるっこも、笑顔・元気いっぱいのお子さまたちと、あたたかいご家族のみなさまのご協力により、とても楽しく有意義な会にすることができました。わたしたち病棟スタッフにとって、卒業したお子さまたちと笑顔でお会いできることは、何よりの喜びです。初夏の暑い中、またお忙しい中おがるっこにご参加いただき、本当にありがとうございました。
平成29年8月10日
東北大学病院西6階病棟おがるっこ事務局

「じょさんしフェスタinみやぎ2017」が開催されました

平成29年9月5日
 先日8月20日、太白区中央市民センター(たいはっくる)にて「じょさんしフェスタ inみやぎ2017」が開催されました。産前、産後のママ、パパと赤ちゃんを対象に、ベビーマッサージやマタニティヨガ、沐浴練習、スキンケアについての講演など様々な企画が行われました。



 当院の助産師も運営スタッフとして参加し、ハンドマッサージと赤ちゃんのお着替え・おむつ交換体験を担当しました。
 来場者は400名を超え、赤ちゃん連れのママ、妊娠中のプレママはもちろんのこと、パパ、プレパパも一緒に来場していました。お着替え・おむつ交換のブースでは、プレパパが汗を流しながら小さな赤ちゃん人形のおててに袖を通していたり、「どうやって拭けばいいのかな。」とおむつ交換に真剣に取り組む様子が見られたりと、育児への意気込みが強く感じられました。プレママも、「こういうのを用意すればいいのかな。」「本物の赤ちゃんはもっと暴れるから大変そう。」と不安を抱えながらも笑顔で取り組み、赤ちゃんが産まれるのを楽しみに待っているようでした。
 私たち助産師は、普段は院内で妊婦健診や入院患者さんの看護を行っていますが、それ以外に、高校での性教育やこのような一般の方向けの子育て教室などを行っています。地域住民の皆さんが正しい知識を持って健やかに暮らせるように保健指導を行うことも、助産師の仕事の一つということで、紹介させていただきました。

勉強会の様子

平成29年3月14日
 先日、安全で安心な分娩期のケアを目指して、分娩第2期の支援について医師と合同で意見交換と勉強会を開催しました。まず、日頃のケアの中で疑問に感じていることや、基準が曖昧になっている部分について意見交換を行い、新たな基準について確認し合いました。その後、ファントムを用いて分娩介助手技について演習を行いました。
 1時間半という時間ではありましたが、日々の疑問が解消されると共に、スタッフと医師の間での共通認識を得ることができ、とても有意義な会にすることができました。
 他職種との協働の重要性が高まる昨今、今後もこのように医師との勉強会を開催して意識の向上を図ると共に、連携の強化に努めていければと思っています。


第8回 宮城県周産期救急搬送コーディネーター関係者会議

平成29年2月20日
平成29年2月16日、第8回周産期救急搬送コーディネーター事業関係者会議が開かれました。例年、この会議ではコーディネート事業の中での細かい取り決めなどに関して再確認・検討を行っておりましたが、今年は「未受診妊婦と飛び込み分娩」をテーマにし、県内の基幹病院の先生・師長、県や市町村の保健福祉部の関係者、仙台市の各区家庭健康課の担当者に集まって頂き問題点や今後の修正点などに関して活発な意見交換が行われました。
東北大学の星合先生からのコーディネート事業の全容と未受診妊婦受け入れに対する取り組みについて発表頂き、濱田先生から未受診妊婦の傾向と具体的な対策について提案がありました。また、東北大学のソーシャルワーカーの吉原さんから実際の症例についての取り組みについて説明を頂きました。その後、齋藤より実際の東北大学の未受診妊婦に対する取り組みについて発表させて頂きました。
この未受診妊婦に関する受け入れ体制に関する取り組みはまだ始まったばかりで、問題点や改善点がまだまだたくさんあります。しかしながら、今回集まって頂いた方々の協力を得て、よりよいシステム構築を目指し「未受診・飛び込み分娩ゼロ」を実現する宮城県になればと思っております。
皆さま今後も何卒よろしくお願い致します。
東北大学産科長 齋藤昌利


Grade A 帝王切開シミュレーションを行いました

平成29年1月11日
お産を取り巻く医療や環境が良くなっている一方、急に状況が変化し1分1秒をあらそって赤ちゃんを出さなければならない状況が存在するのがお産です。そんな「Grade A 帝王切開=超緊急帝王切開」のシミュレーションを麻酔科ドクター、手術室スタッフ、産科スタッフと連携しながら行いました。どこに何分かかっているのか?何をどうしたらもっと早く移動できるのか? 1秒でも早く赤ちゃんを娩出する、その使命を我々は追求し続けます。

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